すべての役員のために!D&O保険の最新情報!

Ⅾ&O保険は、株主代表訴訟の保険料も会社負担できるの!?

2017.06.22

D&O保険は、会社ではなく役員個人に損害賠償請求をされた際に保険金が支払われる商品です。

この商品は、保険料を会社が負担するか否かで長らく議論がされてきた経緯があります。

というものの、役員個人の責任で損害賠償が発生するのに何故会社が保険料を負担してあげないといけないのかというわけです。

会社も被害者の1人という考え方ですね。

また、会社が役員のために保険料を負担するということは、利益供与や利益相反取引にも該当するのではないかという意見もあります。

でも、それでは会社の役員になるにはリスクが高いと就任を拒否する人が増えてしまうという会社側の懸念もあります。

近年は、社外取締役の設置が必須となりつつあり、企業は優秀な人材を集めたいものの、補償がなければ責任の重さが足かせとなってしまいます。

そこで、従来は、D&O保険で第三者に対する責任に関する補償については保険料を会社負担し、株主代表訴訟による責任に関する補償については税法上、保険料を会社が負担する場合はみなし給与として課税されていました。

株主代表訴訟は会社に代わって役員に損害賠償を求めるため、利益供与の性格が強いと考えられていたからです。

しかし、2015年に経済産業省がコーポレートガバナンスのあり方に関する研究会でまとめられた指針を公表し、D&O保険は取締役会の承認および社外取締役全員の同意が得られれば、利益相反取引に該当しないと明確化されました。

また、今までは、株主代表訴訟の保険料は給与課税の対象としていましたが、国税庁が給与課税の対象外にすると公表しました。

したがって、D&O保険に関する保険料は全て会社負担とできるようになったわけであります。

会社法上および税法上取り扱いが明確化したことになります。

今後、D&O保険はより使い勝手が良くなり、また社外取締役の責任リスクの軽減にもつながるため、優秀な人材の確保が容易となります。

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